なんて聞くとまるで人生の花道を歩いてきたかのようですが、結婚をする前の私は、恋愛依存体質で好きになった相手に全て合わせ、なんでも許し、仕事より友達より恋愛を優先させる超こじらせ女子でした。

24時間365日、恋愛のことばかり考えていて、相手に好かれたい想いから自分の感情を抑え、相手の好みに近づくよう努力し、都合のいい女でもいつかは振り向いてくれるだろうと間違った方向に努力を積み重ねていました。最初は相手から好意を持ってもらったはずがいつの間にか私の方が追いかけるようになり、尽くしまくって最後は大事にされなくなってフラれる。それが私の恋愛パターン。

どんなに頑張っても、大事にされない。選んでもらえない。
好きだけど辛い。辛いけど好き。

そんな苦しい恋愛ばかりしてきたのです。
中でも一番苦しかった時は、大きな円形脱毛症や、ストレス過多で記憶がなくなる「短期健忘症」にもなりました。躁鬱気味にもなったので一人の時は家でも電車でも常に泣いていて、人前だと元気に振舞う。毎日会社の前まで泣きながら歩き、でも仕事となると明るい自分でいられる。だから一人になるのが怖くて、仕事を掛け持ちしたり、友だちと会ったり他の男性と会ってみたりと、とにかく一人で考える時間がないようにしていたのです。

のちに大きな転機となるガールズバーのアルバイトもこの頃始めました。

結局その彼にとって私は都合の良い相手で、本命になりたいと言うとフラれ、未練たらしく忘れられない日々を過ごしていた頃、アルバイトをしていたガールズバーで店長になりました。

私はそこでの仕事が大好きで情熱をもって店長の仕事をやるようになったのです。

毎日がとても充実していました。
するとそれまでずっと「こんなに頑張っているのに選ばれない」と自己肯定感がかなり低い状態だった私が
「こんなに心から楽しいと思える時間を過ごせている。スタッフやお客様から慕われ求められている」と感じ、少しずつ自分に自信が持てるようになってきたました。

そんな時、再び大好きだった彼から連絡が来たのです。
未練があった私は、迷いながらもまた彼に会うことに。
私の目の前で相変わらず甘い言葉をささやき、優しい素振りを見せる彼。
ところが、とても冷静な目で私たち二人を眺めている自分がいました。

「今の私は、今の彼を好き…？」

そう自分に問いただしたら、答えは「NO」
確かに私は彼のことを狂おしいほど好きでした。
でもそれは以前の私。今の私とは違う。
そんな風に思えたのです。
そして憑き物が落ちたかのように、彼への気持ちは消え去りました。

そして実はずっとそばで私を見守っていてくれた今の夫の存在に気付き、
愛されて幸せな結婚をし今に至ります。